川巴良諏訪神社

川巴良諏訪神社アイキャッチ画像

川巴良諏訪神社はあいの風とやま鉄道、高岡駅の北西約1100メートルの位置に鎮座しています。
私は極楽寺参拝後、徒歩で向かいました。

参拝日 令和5年5月21日
鎮座地 富山県高岡市旅籠町60
主祭神 建御名方富神(水の神)
    (諏訪大神)
配祀神 恵比寿神(商売の神)
    迦具土神(火の神)
    菅原道眞公(学問の神)

当神社の境内に設置されている掲示板の内容を直記すると、当神社は旧町名で旅篭町、風呂屋町、橋番町、上川原町、中川原町、檜物屋町、川原上町、中央町、二丁町、下川原町西部、下川原町中部、下川原町東部、東栄町、千保町、西栄町、上栄町、鳳鳴町、一番新町、二番新町、拾九ケ町の産土神である。


この邊り、川原町と總稱するように、往昔は雄神川の氾濫のため一大川原であった。
或る時の洪水で川上から大盤石が流されてきて、ここに止まって動かず、その大磐石が根基となり廣野が形成されたので、建御名方富神が天神と競争され、畢りに信濃國諏訪から動かなかったという神話に重ねて、住民は諏訪大明神と崇敬し産土神として奉齋、今日に及んだという口碑がある。


社伝によれば、創建は慶長十三年で、勧請され諏訪社と稱したが慶応三年五月十日川巴良諏訪神社と神社号改稱官許されたものである。
当社の鎮座はこのような川原町の形成と発展とを見守り、これとともに発展されてきた神であり、この川原町造りの基礎を開いた神でありその開発の礎の神だといえる。


一方氏子 子々孫々御祭神の御神徳を仰ぎ深く尊崇し、郷党相和し、隣保相扶け、この郷土の
発展に尽くしてきたものであり、霊験あらたかなる氏神の御加護を蒙り、氏子崇敬者の家々の
安泰、家業の繁栄、、延命長寿、交通安全、その他百般の事を祈願して深い信仰を捧げている。


又、恵比寿神、火の神、菅公を祀り、氏子崇敬者の商売繁昌、火の災禍なきよう、学問の
道にもいそしむように祈願している。
なお、氏神を産土神と稱へるのは、その人が生まれた土地の守護神をいい産土とかいて
『うぶすな』と読む。


即ちその土地に生れた人は産土神の恩頼によって生育するわけであるから産土神とその土地の人との関係は実は骨肉の縁ともいうべき間柄である。
よって氏神を親神様と申し上げるのもこのことから由来しているものであるとあります。

境内に植わっている銀杏について、特別に由緒書きが掲示されていたので略々直記しておきます。

当神社の言い伝えによると、慶長年間、雲海という高僧が樹の下を通った時、樹木の繁みから何者かが呼び止め「この銀杏を大切にせよ」と告げた。
この僧は樹幹に注連縄を廻らし神酒をお供えして、ご祭神として祀ったという。

元禄年間、忠臣蔵足軽浪士寺坂吉右衛門が旅籠宮島屋に滞在し、一日無聊のまま銀杏の下で寝転びながら煙草を吸っていたが、眠気を催し眠ってしまった。

やがて眼をさまして、投げ出しておいた煙草入れを探したが見当たらなかった。
江戸へ発足後どうしても愛用の煙草入れが忘れられず、旅籠に探してくれるよう依頼した。
旅籠では樹の辺りを探したところ、不思議にもその煙草入れは銀杏の枝に引っかかっていた。
投げ出しておいたものが枝に引っかかるとは確かに不思議である。
早速その旨を書いて煙草入れとともに寺坂へ送り届けた。

寺坂から返信があり「銀杏にすむ高神さまに悪戯されたに違いない。
あの銀杏の樹にはご精霊がきっとおすまいになっているのだ」ということであった。

このことでこの銀杏を寺坂銀杏ともいうようになった。
この手紙は旧家四津谷氏に秘蔵されているという。

俳人松尾芭蕉が越中路の途中、この樹の下で休み長い旅路の安全を祈願したという。
文九年間、京都天龍寺の高僧禪龍が無頼の徒に襲われて、この樹の下で不思議にも助かったという。

明治十三年三月高岡大火のおり、この樹より吹き出す水により近隣家屋の類焼を防いだという。

こうして不思議な出来事が数多くあり、近年、不思議な話が一つ加わった。
それは県道拡幅の問題が起こるや(昭四十五)、樹の枝から榊が青々と生えてきたことである。
まさに神木である。
ご精霊の宿る巨樹として厚く尊崇され、延命の守り神としても信仰者の参拝があるのはこのゆえんである。
さて、境内の樹木は、私たちの生命の源である神々が宿る神木であり、その尊厳さに襟を正さしめ敬虔の念を起こさしめるものである。
立木を見ると書いて親となり、鎮守の森は祖先の鏡、心霊とは不離のものである。
このように今も尚、亭々として繁茂している容姿こそこの氏神さまお姿であり、真にこのお社の象徴として氏子祖先から受け継がれた貴重な遺産である。樹木の成長は一朝一夕にあらず、四百年のこの地を見守っている大樹は自然環境緑化保全、文化、歴史などの観点からも尊いものであるとあります。

御神木之証

樹木周囲 約五米
樹高 約二十米
樹齢 約四百年
雄樹 雌雄異種

四百年 世の移ろひを 見下ろせし
銀杏大樹は 神木たりし

川巴良諏訪神社御朱印
川巴良諏訪神社御朱印